借主が死亡すると、賃貸借契約はどうなるか?相続人が複数いたら?
A
相続人が複数いる場合、たとえば死亡した借主が高齢の女性で、借主の子供3人が相続人である場合(これを共同相続といいます。)、この3人全員が、共同して借家権を持つことになります(これを準共有といいます。)。
相続人1人であれば、問題は起きませんが、相続人が3人いると、大家さんの相手が複数になってしまいます。家賃や管理費の請求は、3人の相続人のどの人に対してしてもよく、しかも、3分の1ではなく全額を請求してかまいません。
これに対して、契約の解除通知は、相続人全員に対してしなければなりません。
借主が死亡すると、賃貸借契約はどうなるか?
A
借主が死亡しても、賃貸借契約は終了しません。
建物の賃貸借契約においては、借主が死亡しても、賃貸借契約は終了せず、建物を借りる権利=借家権は、相続人に相続されます。
相続人は、大家さんと死亡した借主との間の契約をそのまま引き継ぎます。従って、借主が死亡したからと言って、契約内容を変更したり、契約の更新を拒絶したりすることができるわけではありません。
もちろん、大家さんは、借主の相続人に対して、賃料や管理費などを請求することができます。
また、借主が死亡して何か月間も家賃の支払いがないような場合は契約を解除できますが、この契約の解除通知は、相続人に対して出すことになります。
壁紙にタバコの臭いが染みついていると原状回復費を請求されたが支払う必要はあるか。
A
ガイドラインでは、「壁紙にタバコの臭いが染みついている状態というのは、通常の使用による汚損を超えるものと判断される場合が多いと考えられる。」とされており、原状回復費を支払う必要があるものと考えられます。
退去のための引越作業中、フローリングやカーペットに目立つキズができてしまった。フローリングやカーペットの張替え費用を請求されたが、引越業者が誤って作ったキズである場合にも支払う義務があるか。
A
原則として支払義務があるものと考えられます。ガイドラインでは、「引越し作業中に出来たキズは、借主の善管注意義務違反又は過失に該当する場合が多いと考えられる。」とされています。なお、借主は引越業者に対して別途費用の請求を行える場合も多いと考えられます。